作業療法士からケアマネへ──ダブルライセンスを取得した理由作業療法士として働きながら、より広い視点で支援ができるようになりたいと考えたのが、ケアマネージャーの資格を取得したきっかけです。作業療法士の仕事は、利用者さんのリハビリを通して生活を支えることですが、ケアマネはその支援の全体像を組み立てる役割があります。作業療法士として働くうちに、利用者さんが望む生活を実現するためには、リハビリだけでなく、支援の計画を立てる視点も必要だと感じました。作業療法士もケアマネも、根本にあるのは「その人が望む生活をどう支えるか」。役割の違いはありますが、支援者としての目標は同じです。ケアマネの資格を取れば、作業療法士としての視点を活かしながら、より包括的に利用者さんをサポートできるのではないかと思いました。訪問看護とケアマネ業務の兼務──それぞれの役割と違い現在はケアプランセンターえんをメインに、週3日はケアマネージャー業務を担当し、週2日は訪問看護ステーションで作業療法士としても働いています。ケアマネの仕事は相談業務が中心で、利用者さんの本音を聞きながら、必要な支援を組み立てていきます。その支援内容を訪問看護や訪問介護のスタッフに伝え、調整するのも大切な役割です。一方、作業療法士は実際に利用者さんの生活場面に入り込み、直接リハビリを提供します。以前は作業療法士として「この方が歩行器を必要としています」とケアマネに伝えるだけでしたが、今はケアマネの視点もあるので、「この歩行器を使えば、○週間後にはスムーズに外出できるようになります」と、より具体的な提案ができるようになりました。支援の橋渡し役として、利用者さんの本音を正確に他の支援者へ伝えられるのも、ダブルライセンスの強みだと思います。資格取得の道のり──仕事と勉強の両立のコツ訪問看護の業務をしながら資格取得の勉強をするのは大変そうに思われがちですが、毎日30分と決めてコツコツ継続することで、無理なく進められました。アプリや勉強用カードを活用し、スキマ時間をうまく使ったことで、詰め込みすぎることなく、学習を習慣化できましたね。また、職場の環境が大きかったと感じています。「えん」では、医療保険や介護保険に関する知識をしっかり共有する文化があり、社内での勉強会や座談会に参加することで、制度の理解が自然と深まりました。訪問看護の仕事の中で、制度について分からないことがあれば、その都度話し合いながら学べる環境だったので、資格の勉強でも「まったく知らない状態から学ぶ」という感覚は少なかったです。さらに、座談会では訪問看護の歴史的な背景や、制度の具体的な解釈についても幅広く話を聞くことができました。そのため、ケアマネのテキストを見たときも、初めて聞く単語が少なく、スムーズに学べたと思います。ダブルライセンスだからこそできる支援ケアマネ業務を始める前は、「利用者さんのすべてを知っておかなければいけない」と思っていました。でも実際には、利用者さんたちの中には話したくないことがある方もいますし、すべてを把握することが必ずしも正解ではないと気づきました。ケアマネは、利用者さんが主体的に動けるよう、そっと支援していくことが大切なんですよね。作業療法士とケアマネを兼務することで、利用者さんの希望をより具体的に支援につなげることができるようになりました。例えば、「買い物に行きたい」と言われたときに、作業療法士として「どんな歩行器が適しているか」を考えるだけでなく、ケアマネとして「導入後どのくらいの期間で自立した移動が可能になるか」を見通すことができます。以前は、利用者さんが「歩行器が欲しい」と言ったときに、単純にケアマネへ伝えるだけでした。でも今は、「この歩行器なら○週間後には安全に外出できるようになる可能性が高い」という具体的な提案ができ、多職種と連携する際の情報共有がよりスムーズになったと感じます。また、以前はケアマネジャーに遠慮していた部分がありましたが、今は自分自身もケアマネの立場になったことで、利用者さんの本音をより深く理解し、それを支援計画に反映できるようになりました。ダブルライセンスを持つことで、より幅広い視点から利用者さんを支えることができるようになったと思います。これからの目標と、えん訪問看護の魅力今後の目標としては、ケアマネとして35人の利用者さんを担当しつつ、週2日の作業療法士業務も継続することを掲げています。そのために、地域ケア会議や勉強会に積極的に参加し、地域との信頼関係を築いていきたいです。また、ダブルライセンスを活かして働く人はまだ少ないので、ロールモデルになれるような働き方をしていきたいと思っています。ケアマネの高齢化も進んでいるので、「リハビリ職がケアマネ資格を取るメリット」や「兼務という働き方の可能性」を広めていけたらと思います。「えん」は、そうした挑戦を応援してくれる職場です。ダブルライセンスを活かした働き方も、相談すれば柔軟に対応してくれますし、社長や管理者との距離も近く、話しやすい環境です。「やりたいことがあるけど、どうすれば実現できるかわからない」という方には、ぜひ「えん」の環境を知ってほしいです。やりたいことを素直に相談し、それを受け入れてもらえる職場だからこそ、今の自分があると思っています。